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其の八　「海物語」と「その他」

現在のパチンコ店の「構図」

　現在、大半のパチンコ店では、「ＣＲ海物語」コーナーと「その他の機種」コーナーの二つが、店内の「構図」となっている状況です。「ＣＲ海物語」が全設置台数の半分以上を占めている店も少なくないようです。
　パチンコも最近マンネリ化し、ブームも一頃に比べて下火になったという意見もあるようですが、その中で「ＣＲ海物語」（ワンパラも含む）は、今のパチンコ店の経営を支えていると言っても過言ではないと思います。
　一方、「その他」の機種はと言うと、殆どが新台として導入しても、客が付くのは最初の数週間まで、中には一週間も経てば、朝、台を自由に選べる、と言った機種も見受けられます。
　こういった状況の要因として、やはりスペックのマンネリ化と、それを改善したいが為の、予告やリーチの複雑化、またリーチ演出が長すぎる、等の原因が挙げられると思います。それに比べて「ＣＲ海物語」は、予告やリーチが大変シンプルで解り易いのも、人気の理由ではないでしょうか。

イベントは「ＣＲ海物語」が中心

　現在、私が感じている「店側」の傾向としては、イベントを開催したり、日常的に釘の開け閉めをやるのはどうしても「ＣＲ海物語」が中心となっていると感じています。
　理由は、常連客が定着するのが「ＣＲ海物語」のシマに集中していると言う事でしょう。特に大手のパチンコ店では「ＣＲ海物語」の固定客の取り込みに懸命になっているのが解ります。正にパチンコ店同士で「ＣＲ海物語」のファンの奪い合いになっている状況ではないでしょうか。
　また、「ＣＲ海物語」に固定客が付いていない店は、見る限りでも店内自体にも活気が無く、「ＣＲ海物語」のみならず、全体的に「ダメな店」というレッテルを貼られる傾向にもあるようです。

「その他」を好む客は結構大変です。

　このように、「ＣＲ海物語」は釘を開けたり閉めたりして、集客を軌道に乗せれば、稼動が安定しますが、「その他］の機種においては、釘を開けて一定期間出したとしてもしても、その時だけは客が付いて「お祭り」状態にはなりますが、後日シメ体制に入ればすぐに客がいなくなる、という状況が見受けられます。
　要するに「その他」の機種にはシビアな客が多いと思うのです。
　また、こういう人達は、「ＣＲ海物語」のイベント日等で、たまに「ＣＲ海物語」を打とうとしても、普段の常連客達に比べても台のクセとか様子がよく解らない事もありますし、常連客の「持ち台」もあって、思うように良い台を選べないという事があると思います。
　例えば、まあ、これは「ＣＲ海物語」に限らず、その時代の人気機種には昔からよくあった傾向ですが、「何番台は誰の専用台だ」、と言う常連同士の暗黙の了解が出来ていて、釘がデカかろうが小さかろうが、毎日同じ客が同じ台を打っているという事がよくあります。
　その為、こういう立ち回りの人達は必然的に「その他」の機種を好む傾向にあるのではないでしょうか。（まあ、色々な理由でただ単に「ＣＲ海物語」が嫌いと言う人も多いでしょうけど。）
　店側としても、出す時だけ客が付いて、シメに入れば客が飛ぶ、では出す意味が無いので、どうしても日常的に割数のメリハリを付けるのは、常連客に還元する意味でも「ＣＲ海物語」になってしまい、「その他」の機種は、新台のうちは客が付いても、日が経つにつれて客付きが悪くなれば、出玉にメリハリを付けて客を呼ぼうとせずに、やがて撤去して新台と入れ替える、と言う営業体制にしている店が大半を占めていると思います。
　ついでの事を言うと、近頃は「新台」と言っても最初の内から釘なんか開けない、という店もかなり増えていると感じます。新台で甘い間だけ店に来ても、シメ始めれば他の新台入替の店へ、と言う人達には還元する意味が無いと言うのは、店側からすれば当然の考えでしょう。余談ですが、元パチンコ店で主任をやっていた知人から聞いた事があるのですが、新台入替の日には、開店前に先頭の方で並んでいる人達の顔を見て、新台の釘調整を決めると言った店も、結構あるらしいです。

今時の立ち回り方を斯く思う・・

　私なりの考えですが、今の時代、一軒の店で立ち回る人には、「その他」の機種も「ＣＲ海物語」同様に扱うという「数少ない店」を見つけるか、例え様々な理由で「ＣＲ海物語」を敬遠しがちでも、やはり避けて通れないものだと考えるか、はたまた「ＣＲ海物語」の常連になるか、ではないでしょうか。
　また、「その他」の機種を好む人は、新台入替等で、短期間でも甘く調整している店を（なかなか少なくなりましたが）、何件かで上手く立ち回るのが良いかも知れませんね。